「愛犬がかゆがる」「皮膚が赤くなって炎症が続く」「フケや脱毛が改善しない」
このような皮膚トラブルに悩む飼い主さんは少なくありません。実は、その裏には食物アレルギーが隠れているケースが多いことが獣医学の研究でも明らかになっています。
2025年現在、犬の食物アレルギーに関する知見は大きく進歩し、市販のアレルギー対応フードや獣医師が処方する医療用フードなど、選択肢が拡大しました。
本記事では、アレルギー検査や除去食の基本をおさらいしながら、ヒルズやロイヤルカナン、ナチュラル系などのアレルギー対応フードを徹底比較します。また、定期購入サブスクを利用する際のコスパ検証や、獣医師推奨の医療用フードと市販品の違いも解説。
1. アレルギー検査&除去食の基本

1.1 食物アレルギーとは?
食物アレルギーとは、犬の免疫系が特定の食品中に含まれるタンパク質を「異物」と認識し、炎症反応を起こすことを指します。症状としては皮膚のかゆみ、脱毛、赤み、嘔吐、下痢などが見られ、慢性的に続くのが特徴です。
人間同様に、犬も特定のタンパク源(鶏肉、牛肉、小麦、卵など)に反応を示すケースが多いですが、個体差が非常に大きいという点に注意が必要です。
1.2 除去食テストと獣医師による診断
- 除去食テスト
最も正確とされる方法は、疑わしい食材を含まないフード(加水分解タンパクや限定タンパクフード)を6~8週間与え、症状が改善するか観察するものです。 - 獣医師による血液検査
IgE抗体などを測定する血液検査で、おおまかなアレルギー原因を推定できますが、精度には限界があるため最終的には除去食テストが推奨されます。
1.3 アレルゲンとなりやすい食材
- 動物性タンパク: 鶏肉、牛肉、乳製品、卵
- 植物性タンパク: 小麦、トウモロコシ、大豆
- 他: 特定の魚介類、米、芋類なども稀にアレルゲンになる例あり
2. 獣医師推奨の医療用フードと市販アレルギーフードの違い

2.1 医療用フード(処方食)のメリットと注意点
獣医師が処方するフードは、アレルギー対策や特定疾患用に科学的根拠を基に設計されています。
- メリット:
- 加水分解タンパクを使用し、ほぼアレルギーを起こしにくい
- 獣医師の指導の下、個体に合わせて成分を選べる
- 注意点:
- 一般的に価格が高め
- 症状改善が見られなかった場合、フードの切り替えが必要
- 獣医師の処方が必須の製品もある
2.2 市販フード(ナチュラル系・プレミアム系)の特徴
市販のアレルギー対応フードも多く、以下のような特徴があります。
- 限定タンパク源(例:鹿肉だけ、魚だけ)でアレルゲンを減らす
- 穀物フリー(グレインフリー)で穀物アレルギーに配慮
- 人工添加物不使用で体に優しい設計
- 価格帯は幅広く、比較的入手しやすいのが利点
2.3 どちらを選ぶか?判断基準
- 症状の重さ: 重度の場合は医療用フードを優先
- 獣医師の診断: 確定アレルゲンが判明しているなら、特定を除去した市販フードでもOK
- コストと続けやすさ: 長期利用を考えると、経済的負担も重要
3. 主要メーカーのアレルギー対応フードを比較(2025年版)

ここでは、ヒルズ・ロイヤルカナン・ナチュラル系の3カテゴリーをピックアップします。
3.1 ヒルズ(Hills)— z/d・d/dシリーズ
犬用 z/d 小粒3kg 食物アレルギーケア ドライ ヒルズ z /d z/d ゼッドディー S2023-001F- 特徴:
- 加水分解タンパクを使用し、アレルゲンを極限まで分解
- 皮膚・被毛ケアを強化した「d/d」ラインなど、症状に合わせて選べる
- 価格帯: やや高め(1kgあたり2,000~3,000円以上が目安)
- 獣医師評価: 科学的データに基づく製品が多く、特定のアレルゲンを確実に排除できる
3.2 ロイヤルカナン — アレルギーケアシリーズ(アミノペプチドなど)
ロイヤルカナン 犬用 アミノペプチド フォーミュラ ドライ(3kg)【ロイヤルカナン療法食】- 特徴:
- 「アミノペプチド」など完全に分解されたタンパクを使った製品がある
- 豊富なラインナップ(犬種別、年齢別など)
- 価格帯: ヒルズと同様、1kgあたり2,000~3,000円が標準
- 獣医師評価: 信頼性が高く、動物病院で扱われることが多い
3.3 ナチュラル系ブランド — 限定タンパク源・グレインフリー
アダルト トイ&スモールブリード 総合栄養食 グレインフリー GMOフリー ドッグフード ネイチャーズハグ Nature’S HUG DOG- 例1: カンガルーや鹿肉など、珍しいタンパク源を使うフード
- 例2: フィッシュベース(サーモン等)でほぼアレルゲンになりにくい
- グレインフリー: 小麦・トウモロコシなどを使わず、ジャガイモやサツマイモを炭水化物源とする
- 価格帯: ピンキリだが、プレミアム系は1kgあたり1,500~2,500円ほど
- メリット: 化学合成保存料不使用・肉の原材料が明確
- デメリット: たまに「ナチュラル=低アレルギー」ではない場合もある。原材料表をしっかりチェック
4. 成分表で見るフードの選び方

4.1 限定タンパク(シングルプロテイン)とは
犬の食物アレルギー対策には「シングルプロテイン」のフードが有効です。
- 1種類のタンパク源のみ使用
- アレルゲン特定をしやすい
- 例:サーモン&ポテトのみ、カンガルー&タピオカのみ など
4.2 加水分解タンパクの意義
加水分解すると、タンパク分子が極小になり、免疫細胞が認識しづらくなるためアレルギー反応を起こしにくい。
- ヒルズ z/d、ロイヤルカナン アミノペプチドなどが代表例
4.3 穀物・人工添加物の有無
- 穀物フリー=アレルギーにならないわけではないが、小麦・トウモロコシがアレルゲンの場合は有効
- 人工添加物不使用の方が安全性は高いが、賞味期限が短い場合も
5. 定期購入サブスクのコスパ検証

5.1 毎月決まった量を届けてもらうメリット
- 買い忘れ防止:犬がいつも食べ慣れたフードを切らさない
- 割引価格:サブスクだと10~20%割引になる店舗もある
- 送料が無料になることも多い
5.2 サブスク対応している主要フードの例
- ヒルズ公式サイト連携 or 楽天の定期便サービス
- ロイヤルカナンの一部ECサイト限定サブスク
- ナチュラル系(例:ニュートロ、GO!ソリューションなど)をサブスク専用の店舗で扱っているケース
5.3 料金比較と割引率、キャンセル規定など
- 料金比較: 例として、ヒルズ z/d 3kgを単発購入 → 5,500円、定期購入 → 4,950円(10%OFF)
- キャンセル: 初回割引が大きいが、回数縛りがある場合も
- いつでも解約OKの場合、気軽に試せる
6. 実際に使った飼い主さんの声(成功例&失敗例)

6.1 皮膚炎が改善したケース
- 事例: 3歳の柴犬が、1歳頃から皮膚炎に悩まされていたが、ロイヤルカナンのアミノペプチドフォーミュラに切り替えたところ、約2ヶ月でかゆみが大幅に軽減。
- ポイント: 除去食をしっかり続け、間食(おやつ)もアレルゲンフリーのものに統一。飼い主が自己判断で市販おやつを与えないよう徹底したのが成功要因。
6.2 アレルゲン特定に苦戦したケース
- 事例: 体重管理用の低脂肪フードを与えていたが、実はその中の鶏肉エキスがアレルゲンだったため症状が悪化。
- 教訓: ラベルをよく読む&獣医と連携してアレルゲンを特定しないと、思わぬ原材料が混入していることも。
6.3 獣医師との二人三脚で乗り越えた例
- 事例: 食物アレルギー+環境アレルギー(ハウスダストなど)の複合原因で長引いた皮膚炎。
- 結果: 完全加水分解フード+定期的な獣医師チェックで徐々に改善。アレルギー用サプリ(EPA含有)なども併用。
7. まとめ:愛犬のアレルギー対策に必要な心構え

アレルギー対策ドッグフードは、愛犬の皮膚トラブルや消化不良を改善する大きな手段の一つです。ただし、以下のポイントを押さえておくと、より効果的に進められます。
- 正確なアレルゲン特定
獣医師の診断や除去食テストを通じて、疑わしい食材を確実に特定する。 - フード切り替えは徐々に
急激に変えると胃腸が驚き、下痢や嘔吐になることもあるので1~2週間かけて移行する。 - 間食・おやつ・サプリも確認
メインフード以外のオヤツでアレルゲンを摂取していたら意味がない。 - 定期的な通院・モニタリング
皮膚の状態や体重、便の状態などを獣医師と相談しながらチェック。
2025年の今、アレルギー対応ドッグフードやサプリはさらに進化し、選択肢が広がっています。愛犬の体質に合ったフードを見つければ、長年のかゆみや皮膚炎が嘘のように緩和する可能性も。ぜひ本記事を参考に、獣医師と連携しながら愛犬にベストなフードを探してみてください。



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